薄暗いある日の午後、若者たち数人が廃墟となった病院のお化け屋敷の前に集まり、心臓をドキドキ震わせながら冒険しようとしています。その中の一人に、ラブドールが大好きな若者がいました。彼の名前は小森。
小森は心が優しくて感情豊かな若者で、彼は自分のラブドールと深い絆を築いてきました。しかし、病気をして、現在の家での生活が困難となりました。新しい家ではラブドールと一緒に暮らす事が出来ない為、彼は自分の愛するラブドールを売らざるを得ませんでした。この決定は彼にとって非常に辛い決断でしたが、生活していく為には仕方がなく、その決断をさせました。
この日、小森は友達と一緒に地元のお化け屋敷を探検することにしました。このお化け屋敷はとても明かりが暗く、幽霊出ると地元では有名でした。小森たちは、そのお化け屋敷を目の前に不安と恐怖で心がいっぱいになっていました。
彼らはお化け屋敷に入り、しばらく進むと、奥の部屋で、噂通りの女の幽霊に遭遇しました。その女の幽霊の姿は非常に奇怪で、化粧が濃く、目が上向きになっており、すべてを飲み込もうとしているかのように見えました。友人たちは恐怖し、一目散に逃げ出しました。そして…小森は恐怖で動く事が出来ず、一人残されてしまいました。
女の幽霊は少しずつ小森に近付き、目の前に妖艶さを漂わせ立ち止まりました。小森は恐怖で目を背ける事も出来ず、また声を出す事も出来ませんでしたが…しかし、小森がその女の幽霊を注意深く観察すると、彼は彼女が以前に売却したラブドールであることに気付き驚きました！！その瞬間、彼の心には大きな衝撃がはしり、複雑な感情が交錯しました。
彼は自分が長年にわたって、一緒に暮らしていた人形を深く愛していました。そして、自身が病気になり、彼女を守れなかったことにずっと心を痛めていました。彼はそのラブドールを抱きしめ、ずっと後悔していた感情が解き放たれ、涙が溢れ出し止まりませんでした。 彼は彼女との数年間の日々を思い出していました。彼女に化粧をし、可愛いドレスを着せ、そしてその姿を写真撮影した事。また、旅行に行き、一緒に過ごす時間、彼女と会話して楽しかった事を思い起こしました。
彼の心は再會できた喜びと、手放してしまった後悔の悲しみで一杯になりました。彼女が自分を離れた後、どこにも行く場所がなく、体を隠す衣服もなく、傷だらけで、最終的にはお化け屋敷に引き取られ、幽霊として仕事をさせられていました。
彼女自身も、小森と離れ離れになってしまった事で、心に大きな穴が空き、やがてその悲しみは膨れ上がり、１人の幽霊へと姿を変えさせていました。 小森は、その苦労と悲しみが彼女の姿から見て取れました。もしかしたら彼女は運命を待っていて、再び出会うことを望んでいたのかもしれません。
お化け屋敷の管理人は事故が起きたと勘違いし、急いで友人たちを連れ戻し、彼らを再び集めました。小森たち全員に状況を詳しく尋ねていくうちに、その女の幽霊が以前に小森のラブドールだったことがわかりました。
友人たちは彼とラブドールとの再開に喜んでいましたが、小森の心は平静ではありませんでした。彼は以前の自分の決断を後悔し、罪悪感を感じていたからです。
その夜、小森の心には深い傷が残りました。彼は愛が所有するだけでなく、守ること、大切にすることが重要だと気づきました。 小森は彼女をお化け屋敷から引き取り、今後、今まで以上に愛情を持って深く丁寧に接する事を決意し、彼女を永遠に幸せにすることを誓いました。 再会出来た今、彼はもう二度と彼女を手放すことはありませんでした。
